今回は『台湾面貸し美容室編』に続く、『台湾面貸し美容室編』です。
前回の内容はこちらから↓

さて、前回の内容では、台北にて初めて美容室を借り始め、順調にスタートを切りました。

2店舗お借りした美容室のうち、

[友達]の [ 元嫁 ] の [ 生徒 ] の [ お姉ちゃん ] の [ 旦那様 ] の経営する美容室では、

そのオーナーである、旦那様から

「俺の店は、無料で場所もアシスタントも貸してやる」

という、お釈迦様のようなお言葉をいただき、（ちなみにもう一店舗も、ありえない金額でアシスタントまで、提供して頂いていました）

男気あふれるセリフに、ちびりそうになった僕ですが、

ありがたくそのご厚意に甘えることに決めました(*‘ω‘ *)

そして今回はその台湾に店舗展開している【世紀】美容室にて、

また新たな展開へのお話をいただくことになります。

海外で美容室を開くまで/初めて通訳を依頼

今回で5回目の台湾。

実は、出発前に、友達の元嫁から連絡を受けていた。

[友達]の [ 元嫁 ] の [ 生徒 ] の [ お姉ちゃん ] の [ 旦那 ] という流れで、【世紀】美容室を借りることができたが、その『元嫁』である。

「なんかリャオ（世紀のオーナー）さんが、伊藤君に、講習かなんかして欲しいとか、よくわからないけど、そんなこと言ってるので、次回話してみて」

という内容である。

話したいという内容自体は、面白そうで、ありがたいが、

さて、問題は通訳が必要である。ということだ。

その時は台北で『プチ美容室』をする3日間のうち、最初の2日間を世紀で行うことになっていて、

その初日のお客様が来る前の時間に、リャオさんが時間が取れるので、話したい。ということになっていた。

いつもの連絡役である、日本語ペラペラのTさんは、昼間は仕事なので頼めない。

HISの副社長は、お願いすればやってくれるだろうが、さすがに頼めない。

あ、そういえば、いつも泊まってる安宿の『山田屋』に、前回日本からの留学生の子たちがいたな。

ちょうどその中の一人と、連絡先を交換していて、

通訳をお願いできるか聞いたところ、その子は快く引き受けてくれた。

今現在は俳優として活躍している松尾淳一郎君、通称【マツジュン】である。

↓一応マツジュンの情報も。オフィシャルサイトの本人画像のスタイリングは、ちょっと気になるが( ;∀;)

海外で美容室を開くまで/ 世紀美容院で講習の打ち合わせpart.1

さてその日、安宿から、通訳をしてくれるマツジュンと一緒に【世紀】美容室へと向かった。

到着後話し合いの時間まで少し時間があったので、すぐそばでご飯を食べることにした。

念のため、店の子に行く場所を伝えておいたのだが、少し経つと【世紀】オーナーの『リャオさん』がやってきた。

まだ話し合いの時間まで少しあったが、早く話したいということだった。

食べながら話すのが苦手なので、ちょっと待ってくれと伝え、急いでご飯を食べ終え、そばのカフェに移動した。

話し合いが始まると、早速

リャオさんから、「次回から、お店で講習をして欲しい」という内容を伝えられた。

どんな講習をしたら良いのか？を聞いてもらったところ、

「全て任せる」とのことだった。

その頃は、【世紀美容室】がどんなお店で、どんなスタッフがいるのか、わからなかったので、

最低限、『講習』ってどんなイメージを持っているのか？

位は聞きたいところだったが、何度聞いても「任せる」とのことだったので、

いったんそれは置いておいて、

「いくらくれるの？」という話に移る。

いくら欲しいのか？と聞かれたので、場所もアシスタントも無償で提供してくれているので、

自分の中で比較的低めの値段を伝えてみる。

当時は今に比べると、台湾の物価や最低賃金ももっと低く、今よりも日本と物価の差が大きかった。

彼のイメージからするとその金額は高すぎたようで、しばらく話し合いが続く。

最終的に、僕のカットをしっかり見てから金額を決めましょう。ということになった。

本人は、その日から2日間台北を離れるとのことで、そうなると『プチ美容室』の3日目【京崎】を借りる日しか残っていない。

また、リャオさんはその日も時間が取れるのは、午前中か夜のみだそうだ。

マツジュンに【京崎】美容室に電話をかけてもらい、事情を伝えると、

【京崎美容院のオーナー】は、その日リャオさんが僕を見に見学に行くことを了承してくれた。

その辺りは台湾は本当に臨機応変に対応してくれる。

………いや、実は、この京崎と世紀、どちらもオーナーやスタッフの大半が、台北出身ではなく、南部の出身であった。

もっとずっと後に、台北で色々な美容室に行く機会があるのだが、その印象としては、

台北の特に東区あたりの美容師さんは、比較的【カッコよさ】を追求し、洗練されていて【プライド】が高そうなイメージであるのに対して、

僕が最初に出会った、この2つの美容室のスタッフたちは、まだ擦れていなく、天真爛漫な子が多い。

といったイメージであった。………

恐らく、そういった環境も手伝ってくれ、

いずれにしても、【京崎】美容室にて、【世紀】美容室オーナーの『リャオさん』が、

僕の品定めに来ることとなった。

しかしこの日は、とんでもない状況となる……

海外で美容室を開くまで/ 台北で初めての食あたりpart.1

さて、その日は午前中10時からお客様が来る予定で、9時半くらいにはお店に着くように向かった。

午前中『世紀美容室オーナのリャオさん』が品定めに来るので、

通訳としてマツジュンにも同行を依頼していた。

………その日朝起きた後、前日お客さんから差し入れでもらっていた、ケンタッキーのバーガーセットを食べ損ねていたものがあったので、それを食べることにした。

少し食べてから、強烈に嫌な空気感を感じ、慌てて食べるのをやめる。

味は普通だったが、めちゃくちゃ嫌な感じがして、そのまま残りを捨てる(…ごめんなさいm(__)m…)

少しして、ものすごく気分が悪くなり始める…

そう、海外に行った人から良く聞いていた例の『食あたり』であった。

しかし、人生で食あたりを経験したことのない僕、

海外で食あたりになった人は、たいていそのエピソードを面白おかしく話す。

僕の中での『食あたり』は大したことないもの。といったイメージであり、

この時自分が『食あたり』とは、思っていなかった。

（よく考えれば、食べてから気分が悪くなったし、そもそも冷蔵庫にも入れていない前日の食べ物であったし、普通に考えれば食あたりではあるが……）

今日は自分が品定めされる、大事な日である。お客さんも来るし、全てが延期なんてできない…

どうにかしないといけない。

気持ち悪さと、おなかが痛い、という症状だったので、

(食べれば治るんじゃね？)と考えてしまう…

取り急ぎマツジュンと、安宿からタクシーに乗り、現地へと向かう。

そこまで時間に余裕があったわけではないが、この状態ではとても仕事ができそうにない。

具合が悪いことと、何か口に入れたいことを伝え、タクシーを降りた後、店のそばで朝食をとった。

そして、さらに体調が悪くなり、冷や汗をかきながら店に入った…

海外で美容室を開くまで/ 台北で初めての食あたりpart. 2

店について、準備をすると、すぐに朝のお客様が2名来店された。

カウンセリングをすると、2名ともカットカラーの予定であったが、

やっぱりカットをしないでカラーだけしたいとのことだった。

その後すぐに『世紀のリャオさん』が、系列店舗の総合店長を連れてお店にやってきた。

予定のお客様のカットが、中止になってしまったので、『品定め材料』がなくなってしまったのだ。

マツジュンに事情を伝えてもらうと、では、今日終わった後、【世紀美容院】に来てもらって、そこでうちのスタッフをカットするのはどうか？

という提案をもらい、その日の終了予定が21時であったので、21時半～22時位に行く。という約束をし、

とりあえず、二人には帰ってもらった。

さて、相変わらず恐ろしいほどの体調の悪さだったため、マツジュンにお願いして、

夜の講習までは、まだ時間はあるが、

少し【京崎美容室】に残ってくれないか？とお願いをすると快く引き受けてくれた。

半泣きしながら、ありがとうを伝える。

この日は、言葉の通じないお客様も多く、スタッフも言葉は通じないので、彼がいなかったら、いろいろやばかったであろう。

海外で美容室を開くまで/ 台北で初めての食あたりpart. 3

午前中のお客様を何とか終わらせ、午後のお客様がやってくる。

基本特に休憩時間は設けていないので、午前中の方が帰るころに次のお客様がやってきた。

その日の僕の顔は完全に青ざめていて、誰が見ても体調が悪いのは明らかだった。

お客様からも「大丈夫か？」といった内容をすぐに言われ、大丈夫と伝え、なるべく表には辛い印象を出さずに、施術を進める。

ちょうど午後イチの2名の方が、カラーやパーマの放置時間になったところで、

その日たまたま来ていた、京崎の女性オーナーのお母さんという人が、食事をもって近づいてきてくれた。

「あなた何か具合悪そうだから、これ食べなさい。ほらそこに座って。」と座るように指示されたのは、

その2名のお客様のすぐ隣の、通常カット等を行う席であった。

「いや、さすがにここはちょっと…」と言うと、

話を聞いていたお客様達も、いいからそこに座って食べろ。と言ってくれる。

【お客様が座る席】で、 【 みんな見ている場所】でものを食べるなんて、通常はあり得ないが、

断る空気感でないのと、そもそも喋ることすら辛かったので、座って食べる。

すると、すぐにトイレに行く……

その日は既に何度もトイレに行っていたが、そのペースがさらに加速する。

トイレから戻り、また1,2口食べると、またトイレへ…

さすがに、これは食べないほうがいいんじゃね？と思い始め、そこで食べるのをやめる。

お母さんからは、「食べなきゃ治らないわよ」といったことを伝えられたが、もう食べられない…

マツジュンに薬局で正露丸みたいなのを買ってきてくれとお願いし、それを飲んでみる。

特に、体調が良くなるわけではなかったが、

【日本語も、中国語も話せる】知り合いが、そばにいるだけでかなり楽になった。

この日は、マツジュンのことを心の中で『ジュン様』と呼んでいた。

夕方位になると、彼は用事があり一旦店を離れ、夜にまた合流して【世紀美容室】へ向かうこととなった。

この時心の中で、泣きながら、「ジュン様行かないで！」と叫んでいたのを、

伝わるように目で合図していたのだが、彼は気づいていただろうか？

ただ、夕方位になると、先が見えてくるので、また頑張る気力が湧いてくる。

また、お昼以降は何も口にしないようにしたので、最悪の時よりも少し良くなっていた。

ただ、飲み物は飲んでいて、そのたびに具合が悪くなる気がしたので、もしかすると飲み物も取らないほうが良かったのかもしれない。

何とか、その日のプチ美容室を終了し、21時過ぎにまた『ジュン様』と合流し、世紀へと向かった。

海外で美容室を開くまで/ 世紀美容院で講習の打ち合わせpart.2

世紀に着いて、最悪の時よりは少し体調は戻っていたが、相変わらず顔は青ざめていて、

それを察した世紀オーナーが、まずは何か食え、とご飯を出してくれる。

最悪の時より少し良くなっていたのと、

またその時まだ食あたりとは気づかず、そもそも食あたりの時に注意することを知らなかった僕は、

そろそろ食べれば、治る気がする。と考え、出されたものを食べ始める。

案の定、もっと具合が悪くなる…

取り合えずトイレに行き、残りの食事は食べずに、カットを始めることにした。

モデルはオーナーの、奥さん。

[友達]→ [ 元嫁 ] → [ 生徒 ] → [ お姉ちゃん ] → [ 旦那 ] の経緯で紹介された【世紀美容院】

この [ お姉ちゃん ] にあたる人物だった。

モウロウとしながら、カットをこなし、終了すると、

どうやら、奥さん始め、オーナーやスタッフたちが喜んでくれているようだった。

リャオさんから、カット代を払うといわれたが、とりあえずそれは断ると、

また更に喜んでいるといった内容を、ジュン様が伝えてくれた。

元々、お店やアシスタントを無償で提供して頂いているので、自分としては、かなり下げた金額にて講習費用を打診していたが、

それでも相手のイメージとは差がある。といった問題が、

カットを見せることで解消され、無事次回より、カット講習の準備に入ることになった。

こうしてようやく、人生初めての食あたりになった、長い一日が終わり、

ジュン様のおかげで、講習の話し合いも、全て問題なく終了した。

ちなみに翌日も、まだ食あたりの注意点を知らなかった僕は、帰国前に食事をとり、最終的には2週間近く、体調の悪さが続くことになる……

この先の『台北美容院にて講習』以降の話は、また後日書いていきますが、

次回は台湾編から一旦はなれ、知らない間に同時進行が始まっていた、『アメリカパートナーとの出会い編』を書いていきます。

今回のまとめ

行くたびに新しい展開があり、自分をたくさん成長させてくれている台湾。

台湾に行ってから、すぐに気づいたのは

『一人では何もできない』

ということでした。

もともと、人見知りなほうで、それは今でも変わりませんが、

『 人が何かをしくれる 』 という時は、たいてい遠慮して断ってしまうことが多かったのですが、

台湾に行き始めて、関わってくれた、

台湾のお客様方、HIS副社長、台湾美容室のオーナーや、スタッフ達、通訳の松尾君、宿屋のオーナー、はじめ

それ以外でも街角や、食事の場、

沢山の場所で、多くの人が、常に何かを手伝ってくれようとします。

街では、言葉も通じない時も多かったので、何を言っているのか理解しようと、

いつも以上に人を観察する習慣がつき、その時改めて感じたのは、

『手伝ってくれた人が、皆嬉しそうにしている』

ということでした。

当たり前のことですが、僕はその時初めて、

好意を断ると、相手は寂しそうな顔になり、

好意を喜んで受けると、相手はとてもうれしい顔をする。

ということを、はっきりと感じるようになります。

「ああ、好意は遠慮してお断りせず、ありがたく受けることが、ある意味相手への恩返しになるんだ」

ということを、日本人よりも感情表現が大きい、台湾の方々から学ぶことができ、

それからは、なるべく人からの手助けをありがたく、受けるようにしています。

何か頂けるものがあれば、喜んで受け取りますので、そのような時には遠慮なさらずお待ちしています(‘◇’)ゞ

ただ、実家に帰ると毎回父親が、自分の古い革ジャンを取り出し、

「高志、これ持って帰れ！」

と言ってくるのですが、こちらの好意は、毎回丁重にお断りしています。

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