恵比寿美容室Ref hair

恵比寿Ref hair│大人のための小顔カット美容室

普通の美容師が海外で美容室を開いたら大変なことになった!/ずっこけオーナーのドタバタ日記vol.4~台湾新たな展開編~

約11分
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美容師伊藤
初めまして。アメリカ/ラスベガス台湾/台北東京/恵比寿美容室を出店している現役美容師の伊藤です。

このブログでは、何も知らない普通の美容師が、東京で美容師を続けながら、なんとなく開いてしまった海外美容室で、

  • 数々あった衝撃の出来事
  • たくさんの失敗
  • 海外美容室での日々の出来事

等を赤裸々に書いていきます。(ただ、あまりにも恥ずかしい内容は、割愛させて頂くかもしれません(-_-;))

個人の美容師さんや、ごく小規模の美容室さんが、今後海外へ美容院を出店する際に少しでも参考になれば。という気持ちと、

このブログを見た美容師さんが、うちの海外美容室のスタッフとして来てくれれば(笑)という、期待を込めて……

また、今でこそ中国語は問題なく話せますが、台湾美容室開店当初、まったく言葉が話せなかった僕が、どうやって基礎もままならない現地台湾人スタッフに教育をしたのか

といった内容も機会があれば書いていきます。

美容室オープンの経歴

今回は『台湾進出編その2』に続く、『台湾新たな展開編です』
前回の内容はこちらから↓

さて、前回の内容にて、

イトーさん、次から家は使えないよ!

という衝撃の発言を受け、3回目の台湾で、初めてホテルを借りることになります。

そのホテルでは、またしても問題がおき、台湾でめちゃくちゃ恥ずかしい想いをすることになります…

そしてまた新たに受ける、台湾の子達からの要望…

毎回出てくる問題や、要望によって、台湾での活動が自然と少しづつ展開していきます。

海外で美容室を開くまで/3回目の台湾

2回目の台湾行きの際、台湾HISの副社長に

台湾の方が日本に来る旅行ツアーで、日本の美容室に来てもらい髪を切るオプションツアー

を提案し、前向きな方向で進んでいきそうな手ごたえを感じ、

今回は副社長をカットして、それによって『ツアーを本格的に考えてもらえるかどうかが決まる』という、大事な意味合いも兼ねていた。
(前回記事でこの企画は最終的にとん挫したことを書いていますが、この時点ではまだ進行中でした)

また、「ホテルを借りてくれ」という、台湾の子たちの要望を受け、今回は2日間のプチ美容院工程のうち、一日はいつものご自宅を使わせてもらい、もう一日はホテルを使用することになる。

『髪を洗えるように部屋にシャワーが必要』『椅子とドレッサーは髪を切るために必要』ということを事前に伝えておき、その中で安いホテルを、現地の子が予約してくれていた。

ただインターネットで、小さな台湾ホテルの部屋の様子を確認できるような時代でもなく、またいつも泊まっている【ゲストハウス】の大部屋一泊400元に対して、ホテルは1200元弱と約3倍の価格になるとはいえ、当時の感覚からすると比較的安値であったため、

【果たしてどんな感じの部屋なのか?】【施術が問題なくできる環境なのか?】という不安もある中、

2回目の台湾から3カ月程たった頃、3回目の台湾へ到着した。

海外で美容室を開くまで/ 台北ホテルにてpart.1

今回で借りるのが最後になる、台湾の子のご自宅でのプチ美容室1日目を無事終え、

2日目はいよいよ初めてホテルを使うことになる。

この頃は、髪を切りに来る台湾の子も増えていき、どちらの日もお昼から夜まで予約がいっぱいで、常に2,3人の方を同時に施術している状態であった。

台湾HIS副社長Sさんから、正式に髪を切りに来るメールを頂いたのは、台湾に行く1週間ほど前で、その時点で空いていたのは、ホテルでのチェックイン後すぐの正午の時間のみだった。
(今考えると、昼前にチェックインできるって時点ですでに怪しいが…この時点では全く気にしてなかった…(-_-;)…)

メールでのやり取りの結果、当時僕が中国語をまだ話せなかったのもあり、

副社長「じゃあ、先に会社に来てもらって、一緒にホテルに向かいましょう。チェックイン手伝ってあげるわ。」

ということになり、会社で合流したのち、タクシーでホテルへと向かった。

色々ツアーの件や、初めてのホテルで不安要素もあり、細かいことに頭が回っていなかったが、タクシーに乗っている時ふと、

(安いホテルにこんなセレブな婦人をつれて行っていいのかな…(;’∀’)…)

と思い始めていたのだが、案の定嫌な予感は良く当たる…

到着してみると、外観はどんよりした、決して綺麗とは言えない古めかしい感じで、そこに新しそうな垂れ幕が2,3個かかっていて、多分「昼間はサービスタイムで安いよ」みたいなことが書いてあるような、何とも言葉にならないホテルだった……

はい……そこは、古いホテルにお客さんを呼ぶために、昼間にサービスタイムを設けたりして、カップルを呼び込んだりする、
いわゆる日本で言う【ラブホテル】代わりのホテルだったのである‥‥

到着すると副社長も「ああ、ここラブホテルね。」と言っていた。

(ここラブホテルねここラブホテルねここラブホテルねここラブホテルねここラブホテルね… )

僕(オレ、オワッタヨ……‥日本にイマスグカエリタイ‥‥だれか僕を消してください‥‥チーン ……)

海外で美容室を開くまで/ 台北ホテルにてpart.2

もう、旅行オプションツアーの話も全て、すっ飛んでしまうだろうな、と思いながらホテルのカウンターへ向かったが、

なんと副社長はいつもの笑顔のまま、余裕の感じで淡々とチェックインを済ませてくれて、部屋へ向かった。

しきりに謝る僕にも、「気にしないでいいよ!とにかくしっかり髪切ってね。」となんとも神対応。

多分急に魂の抜けたような僕の様子を感じ取り、気も使ってくれたのだろう。本当にありがたい。

この感謝の気持ちは、しっかりカットしてお伝えしよう。と意気揚々と薄暗い部屋に入るのだが、すぐにこの日2回目の冷や汗をかくことになった。

部屋に入ると、ベッドがドーーンと、真ん中にあり、隅に小さなドレッサーと、椅子があった。

カット等するには、スペースが狭いので、大きなベッドを端に寄せたところ…

ここには書けないような、色々なゴミやら何やらが姿を現した‥‥

(ああ、やっぱりさっき、誰かに僕を消してもらっとけば良かった…オレ、こんなんばっかだよ………(._.)……)

まあでももう仕方がない。その後の予約も詰まっているし、ホテルで切った髪を掃除するために「ほうき」も持ってきてある。

その『汚物』の事にはお互い触れずに、副社長には少し待ってもらい、急いで掃除をして準備を済ませ、カットに入った。

結果としてはめちゃくちゃ気に入って頂き、次の日は台湾最終日で出発まで少しだけ時間があることを伝えてあったので、

「明日もう一回会社に来て!オプションツアーの件話しましょう!」と言ってもらえた。

…前回記事で書いたように、この後日本に帰ってからこのツアーに関してはとん挫してしまうのだが、

この副社長には、今後台湾の美容室オープンまでたくさんお世話になっていく。

この方も僕が台湾に美容室をオープンすることになる、大事なキーパーソンの1人であった…

海外で美容室を開くまで/ 台北ホテルにての「おまけ」と次なる課題

さて、無事副社長にも気に入って頂き、その日も続々と他のお客さんがやってきた。

ホテルの部屋が予想以上に暗かったり、スーツケースの上に置いていたカラー剤を落としてしまったりといった、軽いトラブルはあったが、自宅ほど気を使わなくてよいためか、思ったよりやりやすく、順調にプチ美容室が終了した。

最後の2,3人の組が終了し、ホテルの下まで送ったのだが、フロントのお兄さんの目線が気になって振り返ると、明らかに下から上まで僕を見て何やら、驚いている。

なるほど…よく考えたら、いわゆるラブホテルに、気品のあるセレブ婦人とチェックインしてから、とっかえひっかえ女の子が出入りしていたのだ…

このフロントのお兄ちゃんは「こ、こいつ何者なの??」と僕を上から下までジロジロ観察していたのだろう。

確かに中でプチ美容室をしているとは思わないだろうから、勘違いするのも無理はない。

言葉も話せないし、特に説明する方法もないので、そのまま勘違いしといてもらおうと、自信のある笑顔をお兄ちゃんに送ると、親指で「Good」と返してくれた。

多分数日は話の『ネタ』にしてくれたことだろう。

その後片づけを済ませたが、なんとなく落ち着かなく、結構遅い時間だったが、いつもの【ゲストハウス】に連絡をして、これから戻ってチェックインすると伝える。

酒を飲む相手になってもらいたいのと、今日の『ラブホテルのネタ』を誰かに話したかったのかもしれない。

安宿に移動する前に、昼間髪を切りに来た連絡役のTさんから、電話がきた。

「イトーさん、やっぱり皆美容室じゃないと落ち着かないって。ホテルならもう行きたくないって言ってるよ。」

( 行きたくないって言ってるよ行きたくないって言ってるよ行きたくないって言ってるよ

… ええ、うそん…( ゚Д゚)…またこのパターンなの…( ;∀;)…)

海外で美容室を開くまで/次なる展開

次の日、台湾の最終日、少し重たい気持ちのまま、約束していたようにHISの副社長のもとを再度訪れる。

…重たい気持ちだったのは、台湾の子たちに、ホテルでは今後行きたくないと言われた以上、継続して台湾に来るには、美容室を借りるしかない。

大きな不安要素は2つ。

1つ目は、今までは、本人達にシャンプーしてもらっていたため、その間自分の手が空き、それによって2,3人同時に進行することができた。今後はだれかアシスタントがいないと成立しない。アシスタントには当然お金を支払わないといけない。

もう1つは、美容室を借りる費用の心配。

後に台湾でたまたま会う、日本で数店舗経営している、美容室経営者の方に「伊藤さん、ハイリスク、ハイリターンですよ。」と言われていて、確かにその通りだと思うのだが、当時の僕はまだそんな考えも余裕もなく、『とにかくリスクを少なく』とだけ考えていた。

その時の自分のキャパでは、やはりリスクを少なくしないと成立しなかったのだ。…

気持ちを切り替えて、副社長の部屋に通されると、いつもの婦人の素敵な笑顔で迎えてくれた。

「カットすごくいいよ。会社のみんなも褒めてくれてるよ!」と、ありがたいお言葉をいただき、

『髪を切るオプションツアー』について話を進めた。HIS側からの要望や、考えられる問題点を聞き、副社長のほうも会社のみんなにも話を伝えておくと言ってくた。

後は僕の方でもう一度もう少し具体的な、【台湾HISへのベネフィットの提示】【受け入れ可能な日程】【アテンドをつけるか】等等、再度まとめたものを次回提出する約束をした。

その日の話もある程度まとまって、まだ少し時間があったので、今後台湾で『美容室とアシスタントを借りないといけない』ということを相談してみた。

すると、その場ですぐ普段行っているという美容室に電話をかけてくれた。

電話は中国語なので、その時は何を言っているかわからなかったが、少し話した後「うん。OK?」みたいなことが聞こえ、どうやらすぐに話をまとめてくれたようだった。

念のため、「あ、アシスタントもお借りできますか?あと、いくら払えばよいでしょう?」と横から口をはさむと、またすぐに確認してくれて、「OKOK!シェイシェイ」と言って電話を切っていた。

「アシスタントも使っていいって。後、日本人の美容師に興味があるから、費用もいくらでもいいって。」

「え、本当ですか!!!!本当にありがとうございます!(^^)!」

かくして、副社長のおかげであっという間に1軒、素晴らしい条件で台湾美容室を借りれることとなる。

実は、前日連絡役のTさんから、「美容室を借りないと皆行きたくない」と言われた後、当時はSNSもあまりなかったので、取り急ぎショートメールで、日本の何人かの知り合いに、

「何か台湾のツテがあれば教えて。台北の美容室を借りたい。」と連絡していた。

日本に帰ると、今現時点で言う、「親友の元奥さん」が、当時日本の語学学校の先生で、そこの台湾人の生徒さんに話をしてくれていたようで、その生徒さんのお姉さんが、台北で美容師をしていて、お姉さんが結婚した旦那が、台湾で美容室を経営している。

オーナーである旦那さんに話したところ、「店もアシスタントも貸してあげるよ!」と快く言ってくれている。という返信がきた。

少しだけややこしいので、整理するとまず【今現時点でいう、親友の元奥さん】というのは、その当時は結婚していて【奥さん】であったが、今は離婚してるので【元奥さん】だということ。(二人とも今は幸せに生活しています♪)

それから、結局どんなつながりの人から借りることになったかと言うと、
親友元奥さんその学校の生徒そのお姉ちゃんその旦那である美容室オーナー

という感じで、何事に関しても本気で探せば、どんな人にも出会えるのではないか?といった流れで台湾美容室経営者にたどり着き、あっという間に、もう一軒美容室を借りる約束ができた。

髪を切りに来る子も増えてきていて、次回からは元々『2日間の台湾プチ美容室』を、『3日間』にする予定だったので、

結果として、その次からその2軒の美容室を振り分けてお借りすることにした。

そしてそれによって、また新たな展開へと繋がっていくこととなる。

新たな場所での『台湾プチ美容室』は、次回の【台湾で面貸し美容室編】にて(*’▽’)

今回のまとめ

このようにして、台湾の初期段階では、単純に「お客様のご要望」に応える形ですべてが進んでいきます。

台湾に来てカットして」と言われ、その要望に応えるために行動し、

ホテルを借りてくれ」と言われればその要望を聞き(ラブホだったけど…)

そして今回は「美容室を借りてくれ」との要望に応えます。

その要望に応えることで、『勝手に物事が進んでいった』というのが台湾美容室オープンのきっかけとなっていきます。

日本でも他の場所でも、基本は同じような感じで、最近では髪の毛質に悩むお客様が増えてきて、それを解決しようと【髪質改善】に関して勉強しメニュー化し、

それに付随して『良いシャンプーがなかなか見つからない』という声に合わせて、改めてシャンプーやトリートメントを調査し、オンラインショップを立ち上げ、

元々【やってもらう】よりも【やってあげたい】という自分の性格もあり、しっかりと様々な【要望】と向き合うことで、自然と物事が動いていっているように感じます。

意見を言ってくれるお客様や周りの人達に、常に『成長させてもらっている』といった感じです。

失敗や冷や汗の度に成長を続けていますが、そのような瞬間は本当に【ドキドキ】なので、そろそろ失敗はなくしたいところでもありますが、それがないと【ネタ】も無くなってしまうので、まあ我慢しながら今後も楽しんで成長していきます♪

↓次回の『台湾面貸し美容室編』はこちらから↓

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